完成見学会コラム

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Sさんの家の大きな特徴 その① 「長崎の山の木で」
Sさんの家は棟梁池上大工が約2年前に大村の山の中から、地元の木こりさんたちに混じり自ら切り出した杉の木を使っています。どれも同じように見える杉の木ですが、実は育った地域や環境によってその性質が異なります。起伏に富む大村の杉は強い反面、一本一本の個性が強いため、どの木をどの位置に用いるかなどは吟味を要します。自ら木を切り出した池上さんだからこそ、一本一本の木の個性を見極めて、この家の骨格を作り出しているのです。また、地域の山の木をその地域で使う事は、その地域の林業を守ったり、森の自然を守ることにもつながります。次の世代へその森を受け継いでいくことになるのです。
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Sさんの家の大きな特徴 その② 「自然の素材で」
Sさんの家は杉の木と土壁という自然の素材でつくられています。杉の木や土壁などの多孔質の素材は、素材そのものが呼吸するといわれるように湿気の吸放出性に優れています。梅雨の時期には湿気を吸収し、逆に冬の乾燥の時期には蓄えた湿気を放出するという機能は、年間を通し湿度の高低の激しい日本の家づくりに適しています。また、自然素材は、シックハウスの原因となる化学物質を含まないばかりか、杉などの香りや手触り感にはは癒しの効果があるなど、ストレス社会といわれる昨今だからこそ、その機能に注目が集まっています。
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Sさんの家の大きな特徴 その③ 「伝統工法」
伝統工法とは、文字通り日本に昔からある家づくりの技術です。昨今ではプレカットと呼ばれるコンピュータ化された製材機を用いて柱や梁の刻み作業を行いますが、伝統工法では、構造金物を使わない分、木材の継ぎ手や仕口などの形態が多様で複雑なため、加工は大工さんの手仕事により行われます。実際には性格の異なる木の一本一本の個性を見極めながら材料の配置や刻み作業を行うべきことから、木の家づくりは、大工さんの手仕事にて行われるべきものといえます。さらに、伝統工法は耐震性の側面から「最先端」の工法といえます。構造金物を用いた固い建物よりも、粘りのある柔らかい構造の建物の方が大地震への耐性が高いといわれています。最近の国土交通省などによる建物の実物大実験は、伝統工法の地震力に対する柔軟性を証明するものとなっています。
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Sさんの家の大きな特徴 その④ 「長く使えること」
新建材を用いた外壁や内装・フローリングなどは製品寿命が短く、5年もするとその大半が新しい商品に入れ替わり、すぐに調達が難しくなってしまいます。一方で、Sさんの家で用いた材料の基本は土と木を基本としています。どこにでもある普通の自然素材を用いる事によって、何十年先であっても、容易に材料を入手し、補修することができます。この家は接合も込み栓などの木を用いていることから、建築金物を多用する在来工法と比べて、解体も比較的容易です。古民家再生でみられるように、建物を違う土地への移築することも可能な循環型の家づくりです。
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